㈱ヨコソー

(1)最新技術・工法の紹介

 

建物の寿命が80年、100言われている中、設備の更新を1度行えば2度と行わなくてよいという考えで更新を進めている。

ⅰ)共用部給水

・高架水槽、受水槽方式から増圧直結給水方式への変更工事

・主要使用材料は主にステンレス鋼鋼管、拡管式管継手、ヴィクトリックジョイント、フランジ加工管あるいはエスロン管(電熱加熱融着)、硬質塩化ビニール鋼管 成型コア内蔵型管端防食型継手。

ⅱ)専有部給水・給湯・ガス施設

区分所有者が実施する部分であるが、最近は管理組合の事業として積立金により工事を行うことが増えている。(漏水が増えると保険がきかなくなるなどの理由がある)

 

・主要材料は給湯管にはHTパイプ、樹脂製配管類、耐衝撃性のHIVP管を用いる。最近は樹脂製管材および継手を用いることが多く、長寿命が図られる。最近のマンションはこの樹脂管を使用しているので更新工事の必要が無くなる。

ⅲ)共用部排水管

ピロティ形式の建物の例のため省略

ⅳ)専用部排水管

・立管の更新には内装の一部解体修復を伴う(トイレ内のPS部分など)。横引管は自室の床下配管と下階天井裏配管の2種があり、古いマンションでは後者が多い。この部分の更新には床の取り外し・復旧あるいは天井の開口・復旧を伴う。塩ビ管で1度交換すれば紫外線に当たらないので再度更新する必要はない。

 階下配管の場合は最高裁判例で、共用部扱いとされているので立管更新と同時に管理組合負担で交換することが多い。

 

・配管材料は硬質塩化ビニルライニング鋼管(耐用年数60年)、MDジョイント、硬質塩化ビニール管継手、耐火二層管(防火壁貫通用)、消音二重管(階下配管用)がある。

ⅴ)施工要領

・浴室、洗面所などタイル張りの箇所の末端部分は一部露出配管とし、化粧カバーで覆う。床下、階下天井の配管は既存の配管を除去し、新しい管をその位置に設置する。そのため床及び天井の取り外し・復旧が必要となる。既存管を取り去らず、新しい配管ルートを設けるには新たに梁などに孔あけを必要とする場合が生じたりすることがあるのでそれを避けるために床の剥離・復旧が必要。

 

・作業時間は9時~5時とし、仮復旧する。

・工事期間は約1週間(内装復旧工事を含む)

・保証 5年(内装は1年)

 

 

(2)築30年前後の団地マンションで、住棟タイプ別での好ましい技術・工法とはどのようなものか

 

給排水管の不具合がみられる場合、築24年~36年に実施する第2回あるいは3回目の大規模修繕工事に併せて行うと以下の利点がある。

・建築工事の工期と重ねることにより工期短縮が出来る

・仮設物関係費用が抑えられる。

・同一施工会社による施工で現場経費が削減できる。

 

 

(3)Q&A

Q1.この地域の排水管は階下配管が多い。改修に当たっては、階下配管のままとするか、床上配管に変更するか、何れが良いか貴社の見解は?

A1.階下配管を床下配管に変更の場合、最終的には最上階の天井の高さが低くなるので、合意形成ができれば洗面所、浴室など限られた部分では可能であろう。

Q2.専有部の工事には作業者の入室が必要だが、これについては相当ハードルが高いのでは?

A2.住民説明会(必要に応じて人数を分け、回を重ね)などを通じて、十分納得を得て着手している。今までの経験では入室を拒否された例は2件あった。

工事中居住者の在宅が原則だが、やむを得ない外出もあり、勤務を休めない人もいる。その場合は現場代理人と居住者との間で鍵の貸し借りを書面で行うなどしている。また工事期間中排水が出来ない時間帯があるので仮設トイレなどを設けている。

Q3.リフォームで変更されている場合の工事方法と費用負担の問題は?

A3リフォームで変更されていても、階下配管の場合は少なくとも階下へ貫通する場所は変わっていない。この位置にどのように配置できるか個別に検討の必要があるが、リフォームされていてもやらざるを得ない工事である。


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