㈱長谷工リフォーム

HAM-J工法

(1)最新技術・工法の紹介

 

 自社独自開発の工法はあまりないがHAM-J工法を紹介する。元々ゼネコンなのでいろいろな要素を組み合わせて目的を達成することを考えている。先ず排水管の改修工事についての考えを説明する。

 排水管の改修工事の基本は更新と考えている。ただしいろいろな制約があり難しいことが多い。

 課題には次の事項が挙げられる。①以前は長期修繕計画に組み込まれていなかった。②更新に際してはハツリ工事を伴い、騒音・振動・粉塵の発生が大きい。③工期が長い(1系統階数にもよるが5日から1週間)④上下階の同時工事(1系統上下階住民の同時在宅)⑤工事コストが高い(30万円~/戸。更生の場合は約20万円/戸)。

住まいながらの改修なので、これらの負担を軽減するために、①騒音・振動・粉塵の発生を抑える。②工期期間短縮。③工事費の低減が施工側の課題である。

 

 以上の方針の下,劣化の調査診断の結果、HAM-J工法は共用立管について以下の工法を採る。

 

ⅰ)スラブ貫通部分(合流継手部分を含む)はライニング、他の部分は新管に交換する。

・工程:①古い立管を切取り撤去し、新管を取り付ける(1日目午後)⇒②一旦、新管を取外し、貫通部分を繊維補強樹脂でライニング後、復旧(2日目)⇒③再度新管を取り付ける(3日目午前)。実働2日間

ⅱ)洗浄痕のみの改修(長寿命の鋳鉄管・銅管対応)

・工程:①養生(9:00)⇒②枝管を外す⇒③清掃⇒④金属パテにより洗浄痕を埋める⇒⑤形状記憶樹脂を継手内に挿入⇒⑥熱風を送り圧着⇒⑦室内復旧(17:00)

 

 

(2)築30年前後の団地マンションで、住棟タイプ別での好ましい技術・工法とはどのようなものか

 

 配管の種類がいくつかある。配管にあった改修方法が必要。また部屋の中の配管の位置、状況もいろいろある。それを検証しながら最も適合した改修を目指している.HAM-J工法は一つのメニューで、それぞれの物件にあった工法で行うことを考えている。

 

 

(3)各管理組合が配管改修で工法を選択する際に重視すべき事項、さらにベストミックスな工法は

 

(上記(1)の該当部分を再掲)

住まいながらの改修なので、①騒音・振動・粉塵の発生を抑える。②工期期間短縮。③工事費の低減、が挙げられる。

 

(4)Q&A

 

Q1.管材の表に塩ビライニング鋼管が見当たらないが?

A1.塩ビライニング鋼管は継ぎ手が鑄物なので鋳鉄と同様な考えで扱える。

Q2.更新と更生の費用の比率は?

A2.排水管更新は一般的には30万円~/戸、更生は約2/3(20万円)と見込まれる。

更新は場合によるが内装工事を伴うので費用がかかる。紹介した工法は対応箇所が特定されている場合に有効。配管全体が劣化している場合は別の工法を考えなければならない。

Q3.専有部の横引管はどのように考えるのか。

A3.専有部の横引管は基本的に更新する。塩ビ管は紫外線の当る場所ではないので劣化は少ないが、部屋や水回りのリフォーム時に劣化状況を点検して決定する。

Q4.浴室のトラップについての考えは?

A4.浴室のトラップはケレンなどを行い補修して使用する。交換すると防水層を痛める恐れがあり、防水層を改修すると1週間くらい入浴ができなくなるので補修で済ませたい。

Q5.汚水管と雑排水管を1本にすると管の寿命が短くなるか?

A5.汚水管、雑排水管を1本の排水管にまとめる工法があるが寿命的には2本に分離している方式と変わりない(私見)。最近のマンションでは台所排水を分けている場合もあるが、汚水・雑排水・台所排水を1本の排水管で処理している方式が多い。


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